2008年02月11日

博士を評価する企業(4), 昇給率からみえてくるもの (I)

前回の博士を評価する企業(3), 修士の初任給との差では, 新卒博士の初任給が修士の初任給より3万円以上多い企業51社のランキングを示した. 今回は, 絶対的な金額ではなく, 「昇給率」というものを指標として考えてみる. 学部, 修士で入社した学生の昇給を基準として考えると, 博士の初任給は同程度にしているか, それ以上か?ということが企業の博士への評価を表しているのではないかとも考えられる.

まず, 一般的な昇給率について,
「入社後10年の昇給率産業別比較」([転職のノウハウ] All about )というデータがある. 30~34歳の平均給与で初任給の額を割って, その7~11年程度の昇給率を出している. 平均で60%程度であるが, これを仮に一番短い7年後の昇給率だとすると, 1.6^(1/7)=1.069で約7パーセント/年, 10年だとすると, 1.6^(1/10)=1.048で約5%/年となる.

一方, これを学部, 修士の初任給の差に対して考えてみる.
修士の初任給が22万円だとして学部から2万円増えている場合, (22/20)^(1/2)=1.049
ということで, 2年間の経験は,約5%の昇給率だということになる.

入社後, 勤続年数を経て, ベテランになってくる程, 昇給率が上がっていく, というのが自然な考え方であろうと思われる. さて, 今まで紹介してきた就職四季報2009年版に基づき, 博士を採用する企業について, 昇給率を(i)学部-修士, (ii)学部-博士, (iii)修士-博士, の3パターンについて1年辺りの, 初任給に対する昇給率を計算してみた. 面白いことに, 見事にケース(1) (i) < (ii) < (iii)となっている企業とケース(2) (i) > (ii) > (iii)となっている企業に分れた. 言うまでもなく, ケース(1)の方が博士を高く評価している, 好条件を提示していることは間違いない.

ケース(1):学部→修士→博士と初任給の昇給率が高くなる企業
サントリー
新日本製鐵
大日本インキ化学工業
東洋エンジニアリング
三菱総合研究所
富士電機グループ
NTTファシリティーズ
NTTドコモ
三井化学
建設技術研究所
DOWAホールディングズ
大成建設
松下電工
日本化薬
大日本印刷
国際石油開発帝石ホールディングズ
日立建機
ACCESS
富士フィルム

ケース(2):学部→修士→博士と初任給の昇給率が低くなる企業
セイコーエプソン
旭化成グループ
東レ
コニカミノルタホールディングス
デンソー
ジェイテクト
マツダ
帝人
島津製作所
ブラザー工業
シスメックス
三菱電機
大塚製薬
第一三共
アステラス製薬
塩野義製薬
杏林製薬


もちろん, これらだけではわからず, 実際に学部卒で入社した場合の昇給率と比較する必要はあるが, 初任給からだけで博士の評価度を判断すると, 上記のように見事に2分される訳である. 具体的な数値については次回以降でみていくことにする.


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2008年02月04日

博士を評価する企業(3), 修士の初任給との差

博士を評価する企業(1), 博士を評価する企業(2)で博士が初任給で幾ら程もらえるのか?というのをみてきた. 有名企業でも10社10色といったところだろうか. しかし, 実は, 初任給の額だけみても, その企業の博士への評価は見えてこない. もちろん高いに越したことはないが, 修士の初任給でも企業によって高い低いはあるからだ. 幾ら26万円ほどでも, 修士+1万円とかでは博士を評価してもらっているとは言い難い. そこで今回は, 博士の初任給で修士より3万円以上差をつけている企業51社を今までと同様に就職四季報2009年版から差額の大きい順にリストアップしよう.

サントリー 80790
新日本製鐵 67500
大日本インキ化学工業 57890
東洋エンジニアリング 56000
三菱総合研究所 51700
旭硝子 50000
三井化学 49000
NTTドコモ 48510
NTTファシリティーズ 48490
富士電機グループ 47700
DOWAホールディングズ 43500
建設技術研究所 43000
三菱化学 41770
松下電工 40500
大成建設 40000
旭化成グループ 39890
東レ 39080
不二越 38850
日本板硝子 38300
日本製紙(日本製鉄グループ) 38000
セイコーエプソン 36000
国際石油開発帝石ホールディングズ 35960
帝人 35550
コニカミノルタホールディングス 35500
富士フィルム 35100
日本化薬 35000
大日本印刷 34000
マツダ 34000
デンソー 34000
ジェイテクト 34000
大塚製薬 34000
第一三共 34000
アステラス製薬 34000
塩野義製薬 34000
杏林製薬 34000
中外製薬 34000
日立建機 33200
ニコン 33000
島津製作所 32920
参天製薬 32500
ACCESS 32000
ブラザー工業 32000
科研製薬 32000
シスメックス 32000
大正製薬 32000
東洋インキ製造 31640
三菱電機 31500
栗田工業 31300
王子製紙 31100
セントラル硝子 30643
ヤクルト 30200

相変わらず, サントリーがトップである. 博士を評価する企業(1)で紹介した会社と, 一部上位の会社は変わらないが, 面白いのは, 製薬系がランクを落とし, 代わりにメーカー系がランクを上げていることだ. つまり, 製薬系は修士の初任給も高いため, 相対的に博士の初任給が上がっているものと考えることができる.
化学系はここでも高評価である.

次回はさらに学部ー修士の初任給の差も考慮した, 「博士を評価する企業」ランキングを紹介する. これまでより, もっと明確に「博士を評価する企業」がみえてくる.

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posted by ハカセ2号 at 23:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 博士の就職

2008年02月01日

博士を評価する企業(2) 有名企業

以前のエントリー博士を評価する企業(1)では博士の初任給の高いトップ20企業を紹介した. 例えば, サントリーと東洋エンジニアリングは30万円を超える初任給を博士に払っている. このように, 初任給で博士に対する高い評価を表明している企業も多い. ただ, 一般的にあまり知られていない企業も多い. そのような本質的な優良企業にこそ博士は行くべきなのだが, 博士だって人の子. 名前の売れている企業に就職したい, というのもあるだろう.
そこで今回は, 独断と偏見で『有名企業』20数社について新卒博士, 博士修了の初任給を就職四季報2009年版から初任給の高い順にリストアップしてみた. (前回と重複あり)

サントリー 319,500
東レ 289,550
旭化成グループ 288,390
ニコン 287,000
NTTドコモ 282,130
中外製薬 281,600
大塚製薬 278,000
富士フィルム 276,500
大正製薬 276,000
帝人 274,150
出光興産 268,140
コニカミノルタホールディングス 266,500
花王 261,000
セイコーエプソン 260,000
島津製作所 258,420
マツダ 258,000
三菱電機 257,500
任天堂 253,000
ヤクルト 252,700
京セラ 248,500
ヤマハ 246,500
ミズノ 245,000
カゴメ 244,850
日本メナード化粧品 230,000
キューピー 229,300

ちなみにトヨタ自動車はなぜか載っていなかった. 以前のエントリー「人気企業の博士採用」書いた様に
【07年4月実績】博士修了/月給25万7000円
だそうである. また, ソニーは能力給だそうである.

就職四季報 2009年版
巻末の『業種別・博士課程修了予定者を採用する会社276社』は必見!



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posted by ハカセ2号 at 06:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 博士の就職
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